-その1- 経営診断の意義・必要性と、経営者に求められる能力
(1)経営診断の意義
経営診断の意義は「業績向上という目的のために企業経営の分析を行い、経営者の意思決定に必要な情報を獲得すること」にある。
診断を行なう際の留意点としては、仮説を持たずに行なうべきではない。
社長であれば、感覚的に自社の問題の原因を想定しているはずである。
たとえば・・・
・ 社員の誰に
・ どこの得意先に
・ 生産工程のどこのラインに
・ 事務フローのどこに
・ 営業プロセスのどこに
・ 商品のどこに
問題があるかが、想像できているはずである。
診断を行なう際には、これを考慮しながら進むべきであり、これがなければ、時間を投下しながらも、成果の上がらないものとなる。
(2)経営者が経営分析を必要とする理由
経営分析のアプローチを欠くことにより、以下のような経営危機・経営波紋を招く。
□ 〈帰納的アプローチの欠如
例えば、経営者が「ABC分析」を知らなかった時
営業構造の変化に対する認識不足
↓
ジリ貧、得意先ばかりのボロボロの営業構造
□ 〈演繹的アプローチの欠如〉
経営者が「1人あたりの付加価値」の重要性に認識不足の時
経営者は、事業の成長拡大と安定のために経営分析アプローチ方法を熟知し、駆使しなければならない。
これらアプローチのためには、幅広い知識と高い経営能力が不可欠である。
(3)経営者に求められる能力
「経営者は企業において最高のアナライザー(分析学者)であり教育者である。
なぜなら誤った分析では誤った意思決定をし企業は衰退せざるを得ないから。」